子犬を迎える編
「ちょうどいいを一緒に考える。」
みなさんこんにちは。トリミング処haloの米良です。
じつは私はレトロなものが好きなんです。
まあ古民家でトリミングサロンを経営してますからだいたいお察しはつくと思いますが・・・。
私の愛車はダックス125といいまして、70年代~90年代頃まで販売していたものを復刻したバイクです。
ダックス125自体はごく最近のバイクですが、レトロを感じられるのでとても気に入っています。
そういったこだわりというものがとても好きな性分のせいか、
「子犬と高齢犬専門でしかも飼い主様と一緒にトリミングができる」
というすごくニッチなトリミングサロンになったわけです。
おかげで、お客様がまったくいらっしゃいません(´;ω;`)
「世の中にはきっと私を必要としてくれる人がいるはずだ!」
とブログで発信を始めた次第であります。
というわけで、まずは私のことを知ってもらいたいので前回の自己紹介(働き始める)の続きを書いていくとしましょう。
さて、前回では先生の口利きで働き口を見つけた私でしたが、ほんの半年ほどで辞めてしまった話をしましたね。
先生からしてみたら立つ瀬がないですよね。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、あのまま続けていればきっと私の中の何かが壊れていたと思います。
しかーし! そんな私にも暗いことばかりが続くわけではありませんよ。
ついにミニチュア・シュナウザーの”まさむね”くんを迎えるというビッグイベントが発生したのです。
そりゃあ、もうかわいいのなんの!
子犬特有のコロコロした体型にクシャっとしたおひげ、変な座り方・・・。
私はあっと言う間に虜になりました。
ではせっかくなので、ここで少しミニチュア・シュナウザーの歴史とトリミングについて話しましょう。
前回もお話したようにミニチュア・シュナウザーの本来のトリミングは毛を抜いて整えていきます。
抜いていくごとに毛は硬く、バリっとした触り心地になります。
と、同時に毛根が小さく、抜きやすい毛へと変わっていくのです。
不思議でしょー。
しかしなぜ、そんなトリミングをするのか?
それは今よりもっと犬が仕事で使役されていた時代、野山や悪路などを縦横無尽に走り回り、害虫駆除や猟の手伝い、運搬などを行っていた頃にさかのぼります。
犬にはその血統ごとに与えられていた仕事があったのです。
もしかしたら現代よりも綿密に人ととの生活に関わっていたのかもしれませんね。
その中でミニチュア・シュナウザーは主にネズミなどの害虫駆除が仕事でした。
シュナウザーがおうちにいらっしゃる方はわかるかもしれませんが、小さくて動くものにめちゃくちゃ興奮しません?
それはお仕事をしていた頃の名残なんですねー。
血統が濃い犬ほど顕著に現れるかもしれません。もちろん個体にもよりますけれど。
その害虫駆除の最中にどこかにぶつかったり擦れたりして自然と毛が抜け硬いものに変わっていきます。
もちろん人が抜いて硬い毛が生えてくるのを手伝ってあげたり、より仕事に適した体にするための交配も行われていたことでしょう。
現代になるにつれて、だんだんと仕事がなくなったので、完全に人が抜いて整えるようになったんですね。
しかし、ドッグショーなどでの品評会できれいに見せるために少しづつその意義は変わっていったのかもしれませんが・・・。
さて、話を戻しますとまさむねくんはとてもお利巧だったので私のへたくそなトリミングに頑張って耐えてくれていました。
毛根が小さくなるまではやはり痛みが出てしまうんです。しかも経験が浅いのでへたくそ・・・
あの時はほんとごめん・・・そしてありがとう、まさむねくん。
しかしこの毛を抜くトリミング。正しくはプラッキングというのですが、賛否両論があると思います。
犬の仕事がなくなった現代において痛みを伴うトリミングは必要な行為なのか?
しかし、プラッキングのメリットもあります。
バリカンやハサミではシュナウザーやテリア特有の平滑毛と言われる背中に張り付く毛にはならず、ふわふわとした柔らかい毛になります。
そうすると外部からの刺激(例えば花粉、砂埃、硬いもの、紫外線など)からお肌を守りにくくなる可能性があります。
が、プラッキングを行うとそういった外的刺激から身を守れ、なおかつお肌のトラブルも減る傾向があります。
そして何度か抜いていくと簡単に抜けるようになりトリミング時の痛みが減ります。
しかし、すべての子がプラッキングが最善かと言えばそうではないと思います。
最後に選ぶのは飼い主様ですが、その子の状態をしっかり見極めたうえで行うことが重要かと思います。
そしてプラッキングをするならば、子犬から少しずつ練習しながら行うのがベストです。
成犬でなおかつ初めて毛を抜くという場合、私はあまりおススメはしません。
あれ・・・?
なんの話だっけ?
あ、そうそう。
まさむねくんが代わりにモデル犬になってくれたので、ブリーダーさんの所での練習は卒業になりました。
仕事を辞めて時間もあるのでどうしようかなと考えていた時に友人から
「私が働いてるサロンにこぉへん?」
「行く!」
つづく。