働き始める編

「ちょうどいいを一緒に考える。」

みなさんこんにちは。トリミング処haloの米良です。

私、アマゾンプライムを契約しているのですが、最近ドラマの「JIN-仁-」にはまってるんですよね。

2009年の放送で、平均視聴率は26%を超えるという大人気ドラマでした。

私も大好きで毎週楽しみにしていたものです。

脳外科医の仁はあることをきっかけに江戸時代にタイムスリップしてしまい、医療器具も発達していない江戸の町の中でいろいろな人々と出会い協力し合いながら、当時はまだなかった医術で神がかった医療を施していきます。

ドラマの中で描かれる人間模様やハラハラとした展開に感動し楽しく見ていた記憶があります。

江戸の町には知り合いもいなければ、頼る人もいない、ましてや帰る家さえもない状況の中で仁は自分を見失わず進んでいかなければなりません。

作中で、仁は自分が過去に送られた意味や使命を模索し始めます。

自分が突き進む道が見えていなければ手さぐりな毎日を過ごし、甘い誘惑や楽な方向へと流されてしまうかもしれません。

私はふと自分と仁を重ねて見ていることに気づきました。

私は帰る家もあるし、知り合いに会いに行こうと思えばすぐに会いに行けます。

が、haloを立ち上げるにあたって、兵庫から大阪の泉大津に拠点を変え、いろいろなものを捨て覚悟を決めてこちらに来ました。

それが出来たのは、目指すべき道が見えてきたからです。目の前はまだモヤがかかっていて手探りで歩いてるような感覚ですが、確かな光が先に見えているという状態です。

さて、前置きはこの辺にしてその「確かな光」がまだ見つかっていない学生だった頃の私の話に戻していきましょう。

A級コースの生徒になったわたしですが、授業は週1しかないので学校がない日は働こうと決めました。

先生からの紹介で某ホームセンター内のペットコーナーにあるトリミングサロンで、そこではわんちゃんの販売もしており、販売の手伝いやわんちゃんたちの部屋の掃除も任されることになりました。

と、同時に私はミニチュア・シュナウザーのブリーダーさんの下で週1回、トリミングの勉強をさせて頂くことになるのです。

しかし、ずっとお世話になるわけにはいかないので、そのブリーダーさんから子犬を譲り受けてその子で引き続きトリミングの勉強をする予定になっていたのです。

その子が今は亡き愛犬のまさむねくんなのですが、その話はまた今度・・・。

トリミングサロンで働き始めた私ですが、過去に色々なアルバイトをしていたとはいえ社会経験などほぼ皆無な若造なうえ、カットも下手で怪我もさせてしまったり、犬への扱いなんて今考えれば全くできていないに等しい状態でした。

それを自分のせいだと認めず、周りや環境のせいにしてしまうことも多くあり、先輩トリマーさんとの関係はあまり良くないものになっていきました。

何か月か経ったのち、女性の方がアルバイトで来てくれたおかげで生体販売の仕事を少し任せられるようになり、トリミングに専念できるようになったのです。

そんな中で事件が起きました。

サロンのオーナーがバーニーズマウンテンの子犬を連れてきたのでその子のディスプレイを用意し、お世話をし始めたのです。

昼はお客様に見えるディスプレイなのですが、夜はバックヤードで他の子たちと一緒の部屋でそれぞれの段ボールに入って過ごします。

今思えばなんでそんな環境なんだよと思いますが、働きはじめて少しの私にはそれが当たり前なのだという認識になってしまっていたのだと思います。

その時に気づいてあげていればと今でも悔いているのですが・・・

次の朝に私が出勤しバックヤードの様子を見ると、バーニーズの子犬が段ボール越えてしまい、ミニチュア・ダックスの子犬が下敷きになってしまっていました。

最悪の結果ですが、残念ながら息を引き取っていました。

そのあとのことはあまり覚えていませんが、命がなくなり力なく横たえるその子をオーナーが連れていく光景は今でも覚えています。

こんなに簡単に死んでしまう・・・昨日はあんなに元気だったのに。

働き始めてすぐの若者には衝撃だったと思います。

その夜に、店長には他の部屋に分けたほうが良いのではという打診はしましたが、段ボールを高くして変わらず同じ部屋でという指示でした。

アルバイトの女性はそのずさんな環境の不信感で何回か相談もしてくれていたのですが、当時の私にはどうすることもできず、結局辞めてしまいました。

私もここで続けて行くか迷いましたが、やはりもう生体販売をしたくないという思いが強くなり退職を選びました。

店長には脅しともとれるようなことも言われましたが、友人や親に相談したおかげで勇気をもって切り出すことができたのを覚えています。

このはじめての動物業界での経験はその後の私に大きな影響を及ぼしました。

今、考えるとこの経験が自分の道ややるべきことを形成するきっかけの一つになったのだと思います。

とまあ、今回はちょっとダークな感じになっちゃいましたね。

けれども、実はこの後も決して明るくは話せない出来事がつづくのです・・・。

つづく

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