こんにちは。
とりみんぐ処haloの米良です。
春ですね!実は私、トリマーの専門学校で非常勤講師をさせていただいておりまして、この春からまた新しいクラスを担当することになりました。
入学したばかりの学生たちは、とっても初々しいです。もちろん、ハサミやブラシといった道具の扱い方もまだわかりません。
授業では、まずは本物のわんこではなく、ウィッグ(練習用の毛)を使ってブラシの持ち方や動かし方から練習を始めます。
ブラシの使い方、当てる向き、痛みのない方法……。技術は多岐にわたるのですが、ブラシ一つとっても、最初はなかなか上手くいきません。
でも、これは学生さんに限ったことではなく、お家でお手入れを頑張る飼い主さまにも、同じようにお伝えしたい大切なポイントがたくさんあるな、と授業をしながら感じていました。
「知っている」と「できている」の大きな違い
今はSNSや本、動画などで、ブラッシングのやり方を簡単に学べる時代です。
「スリッカーブラシを使って、毛をかき分けて……」と頭で理解していても、実際にわんこを目の前にして「正しくできているかどうか」は、まったく別の話になってしまいます。
ブラシの当て方が強すぎて痛みを与えてしまったり、知らない間に毛玉やもつれを無理やり引っ張って取ろうとしていたり。
また、わんこが動かないように押さえる方法(保定といいます)が強すぎて、わんこが苦しい思いをしていることもあります。
飼い主さまは「綺麗にしてあげたい!」という愛情で一生懸命なのですが、結果的にその一生懸命さが、わんこを「お手入れ嫌い」にしてしまう原因になることがとても多いのです。
お家でのブラッシング、最初のアドバイス
そこで、お家でブラッシングの練習を始める際の一つのアドバイスです。
1. スリッカーブラシは使わない
「えっ?」と思われるかもしれませんが、針金のようなピンがたくさんついているスリッカーブラシは、使い慣れていないと皮膚を引っ掻いて痛い思いをさせてしまいます。最初は、ピンの先が丸くて柔らかい「ピンブラシ」や、獣毛ブラシなどを選んでみてください。
2. もつれは「絶対に」取らない
ここが一番重要です!最初の目的は「毛を綺麗にすること」ではなく、「ブラシを好きになってもらうこと(ブラシに慣れてもらうこと)」です。もつれを無理に引っ張ると痛いので、もつれを見つけても今はスルーしてください。
もし、もつれを完璧に取ろうとして一気にゴールを目指すと、どうなるでしょうか。
痛い思いや怖い思いをしたわんこから、後々「噛む・怒る・逃げる」という大きなしっぺ返しがやってきます。一度ブラシを嫌いになってしまうと、それを取り戻すのは何倍も大変になってしまいます。
実践!無理なく慣れてもらうステップ
では、どうやって慣れていけばいいのでしょうか。子犬さんや、お手入れが苦手な子へのステップをご紹介します。
① まずは体力をしっかり使う
子犬の場合は特に、エネルギーが有り余っている状態でお手入れをしようとしても、じっとなんてしていられません。「ブラシはおもちゃだ!」とじゃれてしまいます。
まずはお散歩に行ったり、おもちゃで全力で遊んだりして、体力をしっかり使って満足してから練習を始めましょう。
② 背中に当たるだけでOK
最初は、一番鈍感な「背中」にポンとブラシが当たるだけで大成功です。「ブラシが当たったね、えらいね!」とおやつをあげて褒めて終わります。
③ 嫌がりやすい部位は慎重に
わんこが嫌いになりがちな部位は、「足元・顔・おしり」です。
実はお散歩帰りやトイレの後に、飼い主さまが一番拭いたりお手入れしたい場所ですよね。
この部分はとても敏感なので、無理に足を引っ張ったり、顔をギュッと掴んだりすると、拭かれること自体が嫌いになってしまいます。持ち方や拭き方が強くなっていないか、わんこが嫌がるサイン(顔を背ける、手足を引っ込めるなど)を出していないか、よく観察しながら優しく触れてあげてくださいね。
専門学校の学生たちにも伝えているのですが、技術は一日では身につきません。それは、わんこが「お手入れを受け入れる心」を育てるのも同じです。
今日できることの少し手前で、たくさん褒めて終わる。
焦らず、一歩ずつ進めていくことが、結果的にシニアになってもずっと続く「穏やかなお手入れの時間」をつくる一番の近道になります。
お家でのお手入れで悩んだ時は、一人で抱え込まずに、いつでもhaloにご相談ください。
わんこも飼い主さまも、胸を張って「お手入れが楽しみ!」と言える未来へ向けて、一緒にステップアップしていきましょう!
