子犬を迎える時に役立つ知識10項目

ちょうどいいを一緒に考える

大阪府泉大津市にある子犬からと高齢犬専門店とりみんぐ処haloの代表、米良です。

この記事はこんな方におすすめ。

  • これから犬を迎えようと思ってる方。
  • 子犬を迎えたけど、何をすればいいのか分からない方。
  • 豊かな暮らしを一緒に過ごしたい方。

順を追って説明していきますので、お役に立てたなら嬉しいです。

はじめに

人は犬と長く生きてきた歴史があり、 今でもその信頼関係や絆は続いています。

実際に犬を見たり撫でたりすると、人の脳には幸せホルモンが分泌されることもわかっています。

「そろそろ犬を迎えたいな。」

「つい最近子犬がお家に来た。」

という方もいらっしゃることでしょう。

しかし、犬を迎えるということはその子の命を預かるということになります。

愛犬のQOL (クオリティ オブ ライフ)いわゆる、生活の質や豊かさも飼い主さま次第なのです。

犬を迎える前にご自分の生活環境や生活サイクルの中で犬との生活が問題ないかをしっかり考えることが大切です。

当ブログで飼い主様とわんこのより良い生活の一助になれたら幸いです。

1.子犬を迎える準備をしよう!

子犬をお家に迎えるにあたって、必要なものがたくさんあります。

そのご紹介と説明をしていきますね。

サークルやトイレ

まずは家に来た子犬に自分の居場所を知ってもらいましょう。
おしっこは家に着くとすぐにするかもしれませんので、まずはサークルの中でおトイレの近くに居てもらいましょう。
おしっこをするまでそっと見守ってあげてください。

一度別の場所でおしっこをしてしまうと、またその場所にしてしまう可能性があるためです。

トイレトレーニングをしっかりと行いたい方はあらかじめ用意しておきましょう。

ちゃんとトイレでおしっこができたら、しっかりと褒めてあげてくださいね。

ただし、噛んだり引っ張ったりしてペットシーツを食べてしまう恐れがありますので注意深く観察してください。
あらかじめカバー付きのトイレを用意しておくのも良いでしょう。

カバー付きトイレの画像

新鮮なお水

気づいたら新しいお水に変えてあげてください。

日中、お仕事に行ってる方は朝と晩には必ず交換するようにしてくださいね。

ブランケット

子犬はまだ体温調節が上手にできません。

夏場でもエアコンを付けていると寒がることもありますので、子犬用に用意しておくと便利です。

わんちゃんのとっさの逃げ場所や避難場所として心を安らげる場所にすることもできます。

犬は自分の匂いが付いているものに安心しますので、そういった場所を各お部屋に用意しておくと良いでしょう。

食事

子犬のうちはできれば、朝・昼・晩と3回に分けて与えましょう。

消化が成犬ほど上手ではないためです。

分けることでしっかりと栄養を吸収できます。

フードを別のものに切り替える場合は急に変えるのではなく、少しずつ今のフードに混ぜながら与えてください。

下痢をすることもありますが、1日で治まるのであれば様子をみてあげてください。

下痢は体から悪いものを出そうとする生理的な働きなので、慌てなくても大丈夫です。

今までのフードが粗悪品であれば起こることもあります。

ただし、変えたフードを与えるたびに下痢をしたり、続くようであれば体に合わない可能性もあります。

下痢が続くと脱水になる恐れがあるので注意が必要です。

リード・首輪・ハーネス

お散歩やお出かけの時のために準備しておきましょう。

リードは脱走を防ぐために滑らないものや、丈夫なものがおすすめです。
肩からかけられるリードは両手が使えるので便利ですが、とっさに手でコントロールできないので注意も必要です。

首輪は迷子札をつけたり、狂犬病予防接種の鑑札を付けたりするのに最適です。

首輪での散歩は犬をコントロールしやすく、トレーニングにも使用できますが、強く引っ張ると首を痛めるので注意が必要です。

指2本くらいが通るくらいに調整すると首から抜けにくく、本人も苦しくありません。
常に着用しておくと非常の際にすぐにリードを付けられるので、避難を素早く行えます。

ハーネスは胴に巻くタイプなので首輪よりも体への負担は少ないです。
首のコントロールができないので、トレーニングには不向きです。
一緒にお出かけする時などに最適です。

お手入れグッズ・おもちゃ

犬とのコミュニケーションに役立つのがブラシやおもちゃです。

多くの犬が引っ張りっこやおもちゃを噛んだりして遊ぶのが好きです。

ロープや紐のようなもの、中におやつを入れられるおもちゃなどもおススメです。

その子によって好きなものも違うので色々試してみてください。

ただし、小さすぎたり壊れたりすると食べてしまう恐れがあるので、サイズに合ったものや壊れそうなものは早めに破棄するようにしましょう。

お手入れグッズはブラシ・歯磨き・保湿液・歯磨きガムなどを用意しましょう。

硬すぎる歯磨きガムやおもちゃを与えると歯の表面にあるエナメル質がはがれてしまい、逆に歯石が付きやすくなる原因にもなります。

お手入れグッズに関してはお手入れの仕方の項でご説明しますね。

脱走対策

わんちゃんの脱走って結構あります。

玄関を開けたタイミングで、外に出てしまったり、お散歩中にリードを離してしまったり…。

道路に飛び出て大惨事になってしまわないようにあらかじめ用意しておくと安心です。

  • お部屋扉にゲートを設置する。
  • ダブルリードにする。(首輪とハーネス両方使用)
  • 首輪に迷子札を付ける(行方がわからなくなった時)

ゲートは種類によってはベビーゲートでも対応可能です。

マイクロチップは特殊な器具で読み取る必要があるので、迷子札に電話番号などを載せておく方が保護した方がすぐに連絡をくださるかもしれません。

2.ごはんの選び方

身体は毎日の食事からできています。
健康寿命を延ばすためには食事の管理は欠かせません。

フードの種類

ごはんと言っても様々なものがあります。

  • ドライフード
  • セミモイストフード
  • ウェットフード
  • フリーズドライフード
  • 手作り食

どれを選ぶかは飼い主様次第ですが、それぞれにメリットやデメリットがあります。

ドライフード系

よく見かける乾燥したタイプのフードです。

乾燥しているので日持ちも良く、量を測って与えるだけなのでとても簡単です。 

値段も比較的高くありません。

デメリットとしては水分含有量が少ないので、水分摂取量が少なくなる傾向にあります。

水分摂取量が少ないとストルバイトなどの結石症になりやすく、腎臓にも負担がかかります。

あまり水を飲まない子はお水を飲ませる工夫も必要でしょう。

セミモイストフード

水分含有量は15~30%。

セミモイスト系は口当たりもよく、香りもあるので嗜好性が高く食が細い子に与えると食べる確率があがります。

しかし、総合栄養食であるかどうかの確認が必要です。

間食としてのものであった場合、そればかりだと栄養不足に陥ってしまいます。

総合栄養食や間食用などの用途については後ほど記述しますので、そちらをご参考下さい。

水分が多いため細菌やカビを予防するために添加剤が多く入っている製品もあります。

商品を選ぶ時に注意が必要です。

ウェットフード

水分含有量は60~85%。

嗜好性が高いので病気や高齢により食欲が落ちている子などに与えると食べる確率が上がります。

密封容器(缶詰・パウチな)に充填された時に殺菌されているため酸化防止剤や保存料などは使用されていません。

その分、開封後は早めに使い切りましょう。

本物のお肉が入っているものは高価になります。

しかし安い製品には大豆たんぱくをお肉のように見せたものも存在するので、原材料はしっかりと確認をしましょう。

フリーズドライフード

水やぬるま湯に加えるとほぼ元の状態(素材そのもの)なります。

素材そのものの栄養素を摂取できます。

乾燥している状態であれば、微生物の増殖による腐敗のリスクも少なくなります。

嗜好性が高いのでしつけの際のごほうびや食が細い子に使いやすいでしょう。

非常食としても優秀です。

しかし加熱処理をしていないため、水で戻すと菌が繁殖しやすい状態になります。早めに使い切りましょう。

手作り食

飼い主自身が選んだ材料で作れるため、安心です。

その子に合わせた食事作りができます。
例えば、肥満気味・運動量が多い・好き嫌いがある・食物アレルギーがあるなど。

水分含有量が多いので病気の予防や消化に良い。

栄養に関する知識がある程度あった方が良いですが、あまり考えすぎずに与えてみてもよいでしょう。

ただし、中毒などを起こす食べ物もあるので、調べてから与えるようにしてください。

フードの用途・目的

フードには用途があり、それぞれで栄養のバランスなどが変わってきます。
ペットフード安全法でパッケージに表示する義務があります。

用途ごとの説明をしていきますね。

総合栄養食

必要とする栄養素を満たした食事です。
基本的にお水と総合栄養食があれば生きられます。

成長段階(ライフステージ)によって栄養のバランスを変えているメーカーもあります

総合栄養食と記載するにはペットフード公正取引委員会が定めた栄養基準を満たす必要があります。
AAFCO(米国資料検査官協会)を基準としています。

ヨーロッパの方ではFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)を基準としているフードもあります。

間食

おやつやごほうびとして使用します。

ジャーキーやガムなどで、与える量は1日のエネルギー量の10~15%以内に抑えるよう推奨されています。

フードを食べないからとおやつばかり与えていると太って栄養が摂れたように思いますが、栄養バランスが偏っているので体に悪影響が出てしまう可能性もあります。できれば決まった量を与えるようにしましょう。

たとえて言うなら、毎日ご飯を食べずにポテチを食べているようなものかもしれませんね。
ただし、疾患や高齢による食欲低下は命に関わるので、エネルギー摂取のための一つの手段として使用するのも良いでしょう。

療法食

特定の病気を管理するためのフードです。

病気に合わせた栄養に調整されており、「特別療法食」「食事療法食」などの表示がされています。

フードによっては与え続けると栄養が偏る可能性もあるため、必ず獣医師と相談しながら使用してください。

その他の目的食

エネルギー補給や嗜好性をあげるためのトッピングなどです。

以下のように表示されています。

  • 一般食(おかずタイプ)
  • 一般食(総合栄養食と一緒にあたえてください)
  • 栄養補完食
  • カロリー補完食
  • 副食
  • 犬用、猫用サプリメント

3.おやつのあげ方

飼い主さんがおやつをあげる理由はおそらく以下のようことではないでしょうか。

  • 美味しいものをあげたい。
  • 喜ぶから。
  • しつけのため

この項目ではしつけやトレーニングのためという所をクローズアップしていきます。

おやつ選び

おやつには嗜好性を高くするために、油や糖質が多く入っているものもあります。

おやつによっては与え過ぎると身体にとって良くない場合があります。

おやつ自体がサプリメントのようになっているものや原材料をそのまま凍らせているフリーズドライのものを選ぶのも良いでしょう。

しつけやトレーニングに最適

おやつはしつけやトレーニングをする上ではとても役に立ちます。

当店は子犬の頃に練習を行ってから本番のトリミングを行うのですが、飼い主さまには必ずごほうびとしておやつを持ってきてもらっています。

とりみんぐ処haloのトリミング風景
飼い主様にごほうびをもらいながら練習している様子

おやつはわんちゃんが大好きなものほど効果があります。

普段食べていない美味しいものをごほうびとして与えると、特別感が増しますので覚えやすくなります。

「普段食べていない」というのがポイント。

普段から食べているものなら、特別感がなくおやつに反応しない場合もあります。

そして私の経験上、太っている子も反応が薄くなりがちです。

それは常に満たされているから。

お腹いっぱいでいつも食べているものをもらっても別に嬉しくはありません。

そういった意味からもおやつは普段から与えすぎないようにしておくと良いでしょう。

おやつを与えるタイミング

ある行動に対して、褒めたい時に時間が経ちすぎてしまうと、おやつをあげても意味がなくなってしまいます。

例えば、トイレサークルにおしっこをしていたが、ある程度時間が経ってしまっていた場合などです。

褒める時は行動をした直後が望ましいです。

おやつを見せながらだとおやつを食べるための行動を取るようになり、号令だけでは言うことを聞いてくれなくなる恐れがあります。

犬が自主的に行動をした直後に褒めると効果的です。

まずはしつけのプロであるトレーナーさんに相談するのが一番良いでしょう。

4.お手入れの仕方

お手入れにも様々ななものがありますよね。

子犬を迎えたばかりの頃は過度なお手入れでわんちゃん自身がお手入れを嫌いになってしまうことも多くあります。

「ブラシを持ったら逃げてしまう」とか、

「爪切りをしたら怖がって噛んできた」などなど。

お家でしたほうが良いお手入れとできればプロに任せた方が良いお手入れも順を追ってご説明していきます。

ブラッシング

犬を飼う上では欠かせないブラッシング。

目的は汚れの除去・血行促進・もつれの予防・スキンシップなどです。

もつれを取るためではなく作らないという意識で、毎日少しづつブラッシングをするのが望ましいです。

ブラシの種類と効果、使い方を深堀りしていきましょう。

スリッカーブラシ

スリッカーブラシ画像

オーソドックスなブラシでペットショップにも多く売られています。

店員さんにも勧めらることが多いかもしれませんが、商品によっては扱いに注意が必要です。

扱いやすさ

抜け毛除去

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

ピンが多く、金属製で硬いものが多いので抜け毛や不要な毛を取りやすいブラシです。
毛を一枚一枚めくるようにして丁寧にブラシをかけていきましょう。


毛に引っ掛かりやすい分、表面を撫でるようにブラシをすると必要な毛を無理やり抜いたり切ったりしてしまう可能性があります。
皮膚への刺激が強いため皮膚を保護するためにピンの先が保護されているものもあります。毎日の普段使いにはあまり向いていません。
使い方次第では、犬がブラッシングを嫌いになってしまう可能性の高いブラシです。


抜け毛やもつれを取ったり、プロのトリマーがドライヤーの際にきれいに毛を延ばすために使用したりします。

持ち方

鉛筆を持つ方法と同じ持ち方です。親指と人差し指で優しく柄をつかみ、水平に動かしましょう。
ブラシはなるべく真ん中の部分を使用するように心がけましょう。端を使用するとスリッカーバーンなどの裂傷を起こす可能性があります。

コームブラシ

コームブラシ画像

カットの際に使用するのでプロのトリマーには必須なブラシです。

飼い主様にはあまりな馴染みはないかもしれません。

扱いやすさ

抜け毛除去

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

人の美容師さんが使っているのはプラスティックなどですが、犬用は金属製がほとんどです。

もつれの有無をチェックしたり、毛をカットする際に使用します。

柴犬や毛量が多いチワワやダックスなど犬種によっては非常に抜け毛が取りやすいブラシでもあります。
換毛期などに使用するとびっくりするくらい抜けることもあります。
もつれに対しては使用厳禁です。

持ち方・使い方


力を入れ過ぎず、人差し指と親指で軽くつかむようにして使用してください。コームブラシがぶらぶらと動くくらいの力がベストです。

扱いは難しく、犬種によっては毛に引っ掛かる分無理やり引っ張ってしまう恐れがあります。
金属製でできているため軽く当たっただけでもとても痛いです。優しく触れるように使用してください。

ピンブラシ

ピンブラシ画像

クッションが柔らかく非常に扱いやすいブラシです。

毎日の普段使いにおすすめです。

扱いやすさ

抜け毛除去

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

ピンは金属ですが、クッションの部分が非常に柔らかいものが多く、皮膚への刺激が少ないのが特徴です。
痛みや刺激が少ない分、犬に嫌われにくいブラシです。

スキンシップ、お肌の血行促進など目的で使用します。

抜け毛やもつれを取るためのブラシではありません。あくまでその予防として毎日の使用をおすすめします。

ヨークシャ・テリアやシーズーの毛を長くの伸ばしたい方には最適です。

クッションが柔らかいため、毛量が多い子や毛が硬い子には多少不向きです。

持ち方・使い方

クッションが柔らかいといっても、ピンは金属でできているので、力みすぎや強く押し当てるのは厳禁です。


基本的には親指と人差し指で優しく持ちますが、柔らかいブラシなのですべての指で握っても大丈夫です。
ただし、ブラシが固定されないようにブラブラと動くくらいに優しく持つように心がけてください。

ラバーブラシ

ラバーブラシ画像

柔らかく、皮膚に優しいブラシです。
犬種によっては抜け毛除去に使用できます。

扱いやすさ

抜け毛除去
(犬種による)

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

ゴム製のためとても柔らかく、皮膚への刺激も少ないので気兼ねなく使用できます。
手袋のようになっていたり、様々な形のものがあります。

パグやスムースチワワなどの毛の短い犬種、テリア系の抜け毛除去に向いています。

マッサージ効果も期待できますので、普段のスキンシップにおススメ。

摩擦力があるので、毛が長い子には不向きです。
カットして短くなっているなら使用しても良いでしょう。

持ち方・使い方

形状によって使用方法が異なりますが、上の画像のようなものであればすべての指でつかみましょう。

皮膚に押し付け過ぎず、摩擦による抵抗を少し感じるくらいの力で毛の流れに沿って撫でるように使用してください。

獣毛ブラシ

獣毛ブラシ画像

毛に艶を持たせるブラシです。
愛犬をツヤツヤさらさらにしたい方に。

扱いやすさ

抜け毛除去

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

文字通り、動物の毛(猪毛・豚毛)でできています。

血行促進と動物の油分による艶だしの効果があります。
長く使い続けていると、犬自身の油も吸収し更に効果が高まります。
トリートメントのような効果が期待できまるでしょう。

猪毛は豚毛よりも硬く、毛の長い子や毛量の多い子におススメ。血行促進にも役立ちます。
豚毛は非常に柔らかく、短毛の子や皮膚の敏感な子に最適です。

毎日のお手入れの仕上げに。

持ち方・使い方

形状によって異なりますが、優しく撫でるように皮膚と被毛に当ててブラシをしましょう。

特殊ブラシ

特殊なスリッカーブラシ

表と裏にピンが付いていて、ブラシ部分がグネグネと曲がります。
普通のスリッカーブラシよりも扱いやすいもが多いです。

扱いやすさ

抜け毛除去

皮膚への刺激

普段使い

スキンシップ

特徴と効果

ピンの部分はスリッカーブラシのようになっています。
先端が柔らかくしなるようになっていて、皮膚へのダメージを軽減できます。

商品によって先端のしなりの柔らかさやクッション部分の柔らかも違うので注意してください。

基本的にスリッカーブラシとさほど効果は変わりません。
スリッカーバーンと言われる裂傷を起こしやすいので注意が必要です。

持ち方・使い方

親指と薬指で優しく持ちます。
毛をめくりながらその部分を少しづつ根元からブラッシングします。
表面を撫でるようにブラシすると毛が抜けたり切れたりする原因になります。

耳そうじ

基本的にしなくても大丈夫です。トリミングサロンで確認してもらってください。

痒み・匂い・赤みが出てきたら、病院に行くことをおススメします。

気になるようなら耳穴の周りを刺激の少ないウェットティッシュなどで拭いてあげてください。
犬が喜ぶようならスキンシップがてら行うのも◎。

爪切り

おうちでのお手入れはおススメしません。
爪の近くには神経が集中しており、非常に敏感です。
保定の仕方や切り方によっては恐怖を覚え、噛むという行為に発展する恐れがあります。

当店でも爪切りは非常に慎重に行うほど難しい作業で、子犬の場合は必ず練習を行ってから少しづつカットしていきます。

お散歩で、ある程度削れますので、たくさんお散歩に連れて行ってあげると爪切りの回数を減らしてあげられます。
狼爪と言われる人間でいうところの親指のような部分は削れにくいのでトリミングサロンなどでチェックしてもらってください。

肛門腺しぼり

こちらも基本的にしなくても大丈夫です。

トリミングサロンに行けばだいたいしてくれますが、当店では無理に絞りません。

ほとんどの子がウンチの時などに自分で出すことができます。

肛門の下がパンパンに膨れ上がっている、頻繁にこするなどがあれば病院で診てもらうことをおススメ致します。

歯磨き

歯垢・歯石について

毎日の歯磨きは大変重要です。

犬の口腔内は人とは違い、より歯石が付きやすい環境になっています。

歯に付着したネバネバした歯垢を放置していると、歯石へと変化していきます。

歯垢や歯石には菌が多く繁殖していて、歯肉(歯ぐき)の毛細血管へと入り込み、全身に回ります。

その結果、様々な疾患の原因になることが知られています。

できれば、毎日歯磨きができるように練習することから始めましょう。

練習方法

口や顔を触られたり、顔を固定されるのはほとんどの犬が好きではありません。

口を触られるのが嫌いにならないようにいきなり磨こうとせず、練習から始めましょう。

早く磨きたいと思われるかもしれませんが口を触らせてくれなくなったら磨くことすらできませんし、トリミングなどでお顔カットの際に嫌がるようになる恐れもあります。

以下の作業をした際には必ずごほうびと褒めるを繰り返すようにしてくださいね。

  1. 口を触ったり優しくつかむ練習。(触る度にほめる)
  2. 触られることに抵抗がなくなったら口をめくる練習(めくる度にほめる)
  3. 口をめくれるようようになったら歯磨きを持ちながらめくる練習。(めくる度にほめる)
  4. 歯磨きを見て喜ぶようになったら、指で歯にちょんと触れる練習。(触る度にほめる)
  5. 歯に触れらることに慣れてきたら、少しずつ指でこする練習。(こする度にほめる)
  6. 歯磨きで少しずつ触れる練習。(さわるたびにほめる)
  7. 歯磨きで少しずつ磨く練習。(磨くたびにほめる)
  8. 磨く時間を徐々に増やしていく。

犬によっては短縮することもできますが、基本的にはゆっくり着実に練習していきましょう。

保湿液・保湿クリーム

エアコンやストーブなどでお部屋が乾燥していることがあります。

お肌の乾燥により痒みやフケが出ることもありますし、お肌が乾燥によって皮膚バリアが低下しお肌トラブルが増える可能性もあります。

セラミドなどの保湿成分が入ったものはアトピーの子にもおススメです。

乾燥がひどい場合はワセリンやクリームも併用すると良いでしょう。

ただし、ワセリンやクリームのように塗布するものは長時間そのままにしておくと、酸化し菌が増える原因になりますので、1週間以内には拭きとったり体を洗ってあげましょう。

5.ワクチンは必要? 接種のタイミングは?

結論から言うとワクチンは必要です。

愛犬への感染病を予防できるので、感染源とならず周りの子への感染も防ぐことができます。
動物病院へ行ったり、トリミングサロンなどの閉鎖空間などでは感染リスクも高くなるのでマナーとしても接種を推奨します。

ワクチンの種類

狂犬病予防接種(人にも感染する)

説明と必要性

日本の法律で接種することが義務付けられています。
お住いの市町村に登録した時にもらえる鑑札と狂犬病予防接種の際にもらえる注射済票も首輪などに付ける必要があります。
鑑札や注射済票があれば脱走してしまった際にも迷子札代わりになります。

毎年の接種が必要で接種していない場合は法律違反となりますので、飼い主は20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

狂犬病は感染するとほぼ100%死に至る病気です。
感染した犬は水におびえ始め、精神錯乱状態となり麻痺・神経症状が見られ呼吸障害が起こり昏睡し死亡します。

人が狂犬病に罹患した犬に噛まれると傷口から感染し、上記と同じ症状でほぼ死に至ります。

幸いなことに現在の日本では狂犬病の発生率は0%です。
しかし、日本でも過去に狂犬病によって亡くなった方がたくさんおり、感染した犬たちは撲殺された歴史もあります。

先人たちが努力をし日本から狂犬病を無くしたのです。そして犬たちの尊い犠牲がありました。

今でも世界ではまだ狂犬病で亡くなっている方がたくさんいます。
輸入などの際には最新の注意を払っていると思いますが、万が一も考えられます。

悲しい歴史を繰り返さないためにも飼い主一人一人が考える問題なのです。

昨今では毎年の狂犬病予防接に対して頻度が高く、犬に負担がかかってしまうということで多くの愛犬家が接種の期間を延ばせないかを訴えています。

確かにしっかりと免疫が残っているのなら打つ必要はありませんよね。
日本政府としては人命も守るために行っているのでなかなか判断が難しいのでしょう。

しかし、現状を変えていくのは我々飼い主の力です。法治国家に住んでいる以上は法律を守る必要はあると思いますが、犬とのより良い未来のために社会に訴えかけていくことが大切です。

接種時期

生後91日以上経った犬には接種が必要です。
接種のタイミングは獣医師さんと相談しながら行ってください。

毎年の接種が必要です。

混合ワクチン

混合ワクチンはその名の通り、色んな感染症を防ぐためのワクチンを1本の注射に混ぜています。

  • 致死性と感染力が高く全ての犬に接種が薦められているコアワクチン
  • 住んでいる地域や環境によっての接種を薦めているノンコアワクチン

に分けられます。

コアワクチンと主なノンコアワクチンに分けて紹介していきましょう。                                                                                                                      

コアワクチン
  • 犬ジステンパーウイルス
  • 犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)
  • 犬伝染性咽頭気管炎(アデノウイルス2型)
  • 犬パルボウイルス
ノンコアワクチン
  • 犬パラインフルエンザウイルス
  • 犬コロナウイルス
  • 犬レプトスピラ感染症

動物病院によって扱っている混合ワクチンが異なります。
例えば、5種・6種・9種など含まれているワクチンの数が違います。
どれが愛犬に合っているのかを獣医師と相談しながら決めてください。

接種時期

生後8週齢頃に1回目のワクチンを接種します。
その後1か月ずつ2回に分けて接種します。
一度の接種では抗体ができないため数回の接種が必要になるのです。

3回の接種が終わったら基本的に1年に1回の接種を薦められます。
混合ワクチンの中でも1年で効果が無くなってしまうもありますが、長く効果が続くワクチンがほとんどです。

1年に1回の接種に抵抗がある方は抗体検査を受けて頂き、証明書をご持参いただけましたら当店でのトリミングは可能です。
しかし、ドッグランや宿泊施設を利用する場合はあらかじめ問い合わせたほうが良いでしょう。

6.ノミやダニなどの寄生虫予防

寄生虫予防画像

ノミやダニの予防はお出かけの時のマナーとして必要になります。

ノミの繁殖力は凄まじく気づいたらカーペットや犬のベッドがのみだらけ・・・。なんてことも。

刺された傷口から病気に感染することもあります。

ノミとダニ・その他の寄生虫ついてと予防薬についてご説明していきますね。

寄生虫の種類

ノミ

ノミ画像

犬などの哺乳動物に寄生して吸血を行い、その際のノミの唾液によってアレルギー反応が起こり激しい痒みが起こります。

瓜実条虫(サナダムシ)の中間宿主で、ノミが犬の口からお腹に入り、小腸で成長していきます。
寄生された犬は肛門の周りに片節と呼ばれる米粒の様なもの(瓜実条虫の一部)が見つかることがあります。

雑草などにおり、高くジャンプして犬などに寄生します。
繁殖力が凄まじく、48時間以内に産卵し夏は12~14日ほどで成虫になります。
13℃以上あれば活動できますので、冬の手前までは注意が必要です。

飼い主様の足元に発疹ができて痒みが出てきたころには家中で大繁殖していることでしょう。

活動時期は基本的に春~冬の初め頃までですが、ずっと暖かい部屋の中では活動できてしまいます。
年中の予防も一つの選択肢でしょう。

マダニ

こちらも皮膚に寄生して数日から10日ほどかけて吸血を行います。

吸血前は3~8ミリほどの大きさですが、吸血後は1センチから2センチほどに膨れ上がります。

草村などに生息しています。

マダニ画像

マダニが媒介して感染症に罹る可能性もあります。

バベシア症・・・赤血球が破壊され貧血になり、発熱・食欲不振・黄疸などがみられ、死に至ることもあります。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)・・・発熱や食欲低下や下痢・嘔吐などの症状が出て血小板が減少し死に至ることもあります。人にも感染するウイルスです。

予防時期は基本的に春~秋頃までですが、ノミと同様暖かい部屋の中では活動できてしまいます。
ノミとマダニの予防が一緒にできる予防薬もあります。

犬回虫

経口感染や母犬の胎盤や乳汁を通じて子犬に感染します。

下痢や腹痛を起こし、大量に寄生されると食欲があるにも関わらず痩せていきます。

犬鉤虫

経口感染・経皮感染・母犬からの経乳感染・経胎盤感染などで感染し、小腸に寄生します。
吸血をおこなうので貧血を起こします。粘血便の排泄や下痢も見られます。

幼犬は貧血と寄生虫が出す毒素により死に至ることもあります。

予防薬の種類

ノミ・ダニ予防薬も様々なものが存在します。
病院によって扱っているものも違いますし、犬の好き嫌いもあります。

その子に合ったお薬や飼い主様が与えやすいものを選ぶと良いでしょう。

  • スポットタイプ
    後頭部から背中あたりに薬液を垂らすタイプです。背中が濡れるのが平気な子は楽につけられます
  • おやつタイプ
    食べるだけで予防ができます。たまに食べない場合もあるので初めての利用の際はまとめて購入でせず、試してみると良いでしょう。

駆虫薬はタブレットタイプのものがあります。

種類によって予防や駆虫できる寄生虫が違うので獣医師さんと相談してくださいね。

7.フィラリア予防

別名を犬糸状虫と呼ばれる糸の様な姿をした寄生虫です。

蚊が吸血する際にミクロフィラリアと言われるフィラリアの幼虫が体内に入り込みます。

体内に入りこんだフィラリアの幼虫は脂肪や筋肉などの皮下組織を移動しながら成長し、最終的に肺動脈や心臓に到着し成虫となります。

フィラリア画像

寄生された犬は元気や食欲がなくなり、呼吸困難や血尿の症状が出てきます。

一度寄生されると治療が難しく、長期的になるのでしっかりと定期的な予防をしましょう。

予防薬の種類

フィラリアの予防薬を使用するには動物病院での血液検査が必要です。
子犬の場合、生まれた時期によっては検査が必要ない場合もありますが、念のための検査をおススメします。

  • スポットタイプ
    後頭部から背中あたりに薬液を垂らすタイプです。背中が濡れるのが平気な子は楽につけられます。
  • おやつタイプ
    食べるだけで予防ができます。たまに食べない場合もあるので初めての利用の際はまとめて購入でせず、試してみると良いでしょう。
  • 錠剤タイプ
    とてもシンプルです。そのまま与えたり強制で飲ませます。ごはんやおやつに混ぜ込むと一緒に食べてくれることもあります。

ノミ・ダニ予防とフィラリア予防も兼ね備えているオールインワンタイプもありますので、愛犬と飼い主さまに合ったお薬を選んでください。

予防時期

春~冬の手前までですが、蚊が活動できない10℃以下が続くようになるまでは予防した方が安心です。

毎年、3月~4月頃にかかりつけの動物病院から検査の案内が届くことが多いです。

8.とっても大切!社会化期

生後1か月~6ヶ月頃までの時期で社会性を身につける時期です。

周りの状況を認識し運動能力も発達していくので、動くものや人への興味が旺盛になります。

生後2ヶ月頃(犬社会への適応)

今の法律では生後56日までは人に譲渡できないようになっています。

生後2か月頃までは母犬と一緒にいることが望ましいとされているからです。

母犬から早めに引き離された子犬は

  • 噛みつきの制御ができない
  • 他の犬とのコミュニケーション能力の欠如
  • 不安になりやすい

などの問題行動が起きやすくなります。

よって社会化期の初期(生後2か月頃まで)は母犬や兄弟・姉妹犬と触れ合うことが大切です。

生後2ヶ月~4ヶ月頃(人社会への適応)

人の手に渡る2か月以降の社会科期は人とのコミュニケーションや周りの環境に慣れていく時期になります。

この時期は恐怖よりも好奇心が勝るので、知らない人や物などに自ら近づいて行きます。

この好奇心旺盛な時期を利用して

  • 家族以外の人
  • 環境音(車の音やサイレン、チャイムなど)
  • お水(シャワーや水たまりなど)
  • お手入れグッズ
  • トリミング

などに慣れておくとお困りごとが減ります。

ペットショップに来る頃は、この社会化期の真っ最中なのでほとんどの子が怖がらずに近づいてきます。

その時には人見知りもせず怖がらない子だと思うかもしれませんが、ずっと家の中にいたりや人に触れさせずにいると人や物音に吠えたり怖がる可能性が高くなります。

もちろん、他のわんちゃんに触れ合うことも大切です。

これからの長い生活がどのようになるかが決まるといっても過言ではない社会化期。

この時期にはわんちゃんのための幼稚園やトレーニングを利用するのも大変おススメです。

人とのコミュニケーションだけでなく、一緒に通っているわんちゃんとの触れ合い方も教えてくれます。

犬のプロが色々と教えてくれるので、飼い主様もとても勉強になりますよ。

9.トリミングに行くのはいつ頃から?

通い始める時期

ほとんどのトリミングサロンさんではワクチンプログラムが終わってからとお答えすると思います。

しかし、私はそれでは遅いと思っています。

ズバリ、1回目のワクチンが終わってから!

狂犬病予防の接種前でも構いません。

練習することの大切さ

当店では、社会化期の時期を大切にしたいので、その時期から少しずつ練習をすることから始めています。

練習に通ってもらうからこそ早めに来てほしいのです。

私はトリマーとして長く勤めてきて、多くのわんちゃんを見てきました。

その中には恐怖でパニックになる子、噛んでしまってトリミングサロンでお断りされてしまった子もたくさんいました。

私はもうそんな子を見たくはありませんし、トリミングが怖くなってしまった子を増やしたくないと思っています。

だからこそ、楽しい場所になるようにほめながらご褒美をあげながら楽しい雰囲気でトリミングを行っているのです。

子犬のトリミング

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10.健康診断に行こう

目安でありますが、犬は以下の表のようなスピードで年齢を重ねていきます。

小型
中型犬
人間大型犬人間
1ヶ月1歳1歳12歳
2ヶ月3歳2歳19歳
3ヶ月5歳3歳26歳
6ヶ月9歳4歳33歳
9ヶ月13歳5歳40歳
1歳17歳6歳47歳
2歳24歳7歳54歳
3歳28歳8歳61歳
4歳32歳9歳68歳
5歳36歳10歳75歳
6歳40歳11歳82歳
7歳44歳12歳89歳
8歳48歳13歳96歳
9歳52歳14歳103歳
10歳56歳15歳110歳
11歳60歳16歳117歳
12歳64歳
13歳68歳
14歳72歳
15歳76歳
16歳80歳
17歳84歳
18歳88歳
犬の年齢早見表

小型犬・大型犬共に4歳ですでに30歳を超えています。

人も30歳を過ぎればそろそろ健康も気になってきて体力も落ちているのを実感する頃です。

私も34歳頃に体力と身体の衰えを感じ始めました。

毎年のフィラリア検査の際などに一緒に血液検査をしてもらうことをおススメします。

病気予防のために日々の食事管理や運動も大切になってきますが、病気はいつ起こるかわかりません。
高齢犬になると1ヶ月前は元気だったのに・・・ということがよくあります。

治療はできる限りの早期発見が望ましいのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

子犬を迎える前や迎えたばかりの方に少しでもお役にたてたなら嬉しいです。

飼い主ひとりひとりが、犬への理解や知識を増やしていくことで私たちのドッグライフはより豊かで楽しいものになると信じています。

犬のためだけに声をあげるのではなく

  • 近隣住民の方々に迷惑をかけないような育て方。
  • マナーやルールを守る。

などを心がけると社会からの理解が深まり、犬にも人にも暮らしやすい社会になることでしょう。

とにもかくにも、犬はとっても可愛いですし、癒しをくれる存在です。

少しでも多くの方が犬好きになる世の中になるよう心から願っています。

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